2014年6月の朝日新聞に掲載された記事

愛知県立名古屋盲学校の高等部に通う17歳の「ラッパー」が7月5日、名古屋市内
で行われるライブイベントに初めて参加する。披露する自作の曲は「I’m Not
 Me(俺が俺じゃない)」。12歳で突然発症した難病と向き合う気持ちをラップ
にぶつけた。

 《ちっちゃい頃から問題児 そんな俺がなった障害に あの差別されるような存在
に 俺がなった》

 そんな出だしで曲は始まる。

 歌うのは「LENA―K(レナック)」こと徳道奏人(とくみちかなと)さん(名
古屋市中川区)。「地元で有名な悪ガキ」だったが、小学校6年のとき、視神経が萎
縮する「レーベル病」を発症した。左目は2週間ほどでほとんど見えなくなり、右目
も視野の中心が徐々に欠けていった。明るさや色は何となく分かるが、人の顔は判別
できない。その形から人間だと分かるぐらいだ。

 歌詞にはこうある。

 《いきなり12で視野の中心ねぇ 見えなくなった 急に目 10万人に1人の
レーベル病 渡された1級の障害者手帳 初めは鏡で見えねぇ顔 俺なにもしてねぇ
だろ》

 見た目では、見えないことは悟られない。市立中学に進学後も、あえて地元の仲間
と非行を続けた。「目が悪くなったからって自分を変えるのが嫌だった」

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