第25回レーベル病患者の会 議事録

開催日時:2023年1月22日(日曜日)13時00分〜17時30分

場所:Zoomによるオンラインにて

【出席者】患者本人・患者家族・ボランティア 27名 参加

【第1部】 新規メンバーの紹介

・Sさん(男性・38才・東京都)
2021年12月発症。2022年5月に障害者になった(手帳取得)。
その時の視力は左0.02・右0.03だったが、現在左手動弁・右指数弁。
中心欠損と周りはぼんやり見える程度。
主治医からはこれ以上悪くならないと思われると言われている。
病気になりあまり時間がたっていないので日々の生活のほとんどが困っている。
PCも見えなくなり、通勤にも影響が出てきた。
休職を考えたが、こどもが生まれたばかりで会社より育休を勧められ、昨年6月から訓練を兼ねて育休に入っている。
今年4月復帰をめどに、昨年夏歩行訓練を受け、9月から視覚障害者支援センターにてPC訓練中。
職場が何を求めるかによって必要なスキルが変わってくるので、何を身に着けたらよいか、育休中に訓練が終了できるのかわからない。
もとは不動産の管理業務だった。

→メンバーより
・育休が明けてもう少し休みが必要だったら、会社に相談し健保の傷病手当金がもらえる休職をするという方法もある。
・SPANという団体がある。
 都と提携していて在職者が訓練を受ける制度を用意している。
 田町にあるがリモートでもできる。
 会社負担で受けるものと個人で申し込むものがある。
・SPANを昨年利用し在職者訓練を受けた。
 受ける前に上司と一緒に面接し、どういうことが業務に必要か相談して訓練のメニューを作ってもらった。
 仕事をしながらだったので少し時間が足りず個人契約の訓練も追加した。
 他に、今はジョブコーチという制度もある。
 PCトーカーを東京都のハローワークからレンタルしていたが、それだけではきびしくなってきたので、会社に相談し、実際に会社にきてもらって仕事の様子を見てもらいながら音声PCだけでできないことを週1回2時間きてもらいサポートしてもらっている。
 休職中の訓練で足りないところはこのように復職後に在職者訓練を活用するのもよいと思う。

・Nさん(男性・21歳・静岡県 本人と父が参加)
昨年9月下旬から見えづらくなり眼科へ通院し始めた。
視力は1〜2週間前の検査で左0.01・右指数弁。
専門学校を卒業後スポーツ店の会社に就職し、お客様対応がメインだったができなくなり困っている。
今は裏方で商品を出す準備などをしている。
発症して3か月あまり、生活面も慣れていない。
通勤は慣れた道なので何とか歩けているが、知らない道は難しい。
高校までサッカーをやっていたので、ブラインドサッカーのチームと最近かかわりをもったりするようになり、目標をもてたらと思っている。
手帳関係の申請は済んでいて、静岡の視覚障害者センターでこれから訓練をうける予定。
手帳の申請時は視力0.05/0.03だったが、その時より現在悪くなっている。
イデベノンも海外から取り寄せて服用して2カ月になる。

→メンバーより
・自分も高校までサッカーをやっていて、今は40歳だが愛知県でブラインドサッカーをやっている。
 静岡のチームと試合をすることもあるのでどこかで会えるのを楽しみにしている。
・イデベノンについて、臨床試験は6カ月服用とのことだったので、6カ月から1年は飲み続けてみようと思っている。
 今のところ効果は感じられない。
 現在50代の叔父が20代でレーベル病になり今は回復しているが、イデベノンをのんでいたというわずかな望みがあるので続けてみようと思っている。
・患者会に参加している方の中でも、イデベノンを服用し若干回復された例もある。
・手帳の再申請について、最初の申請から1年待たないと再申請できないと言われた人もいるが、自治体によって、また、医師の診断書の書き方によって違うかもしれない。
 窓口で相談してみてはどうか。
・障害年金は発症してから1年6カ月たたないと申請できない。初診時にさかのぼって書類を書いてもらわなくてはならないが、認定されると初診時にさかのぼって支給される。

【第2部】ゲストの講演
「見えにくさによる困難と工夫」
広島大学大学院人間社会科学研究科 准教授 氏間和仁先生
「偏心視の読み研究」
広島大学大学院博士課程後期 今津 麻衣さん

資料→ https://fshare.hiroshima-u.ac.jp/nextcloud/index.php/s/EkwaGTprm7nzPFw

講演録画→ https://youtu.be/Zhegt0UoG9k


【第3部】 ブレイクアウトルームにてグループに分かれて懇親会

【第4部】新規メンバー紹介(続き)・ 全体で質疑応答
・Mさん(男性・51歳・大阪府)
現在盲学校の1年生で勉強が大変。
元々は理系の国立大学を卒業していて理数は得意だったが、今の勉強は解剖学・生理学など覚えることが多く、この年で暗記能力が落ちていて大変。
今年の新入生は57歳の人が最年長・私がその次、過去には60歳や70歳の人もいたらしい。
先生も視覚障害者の方ばかり。月〜金は学校で勉強、土日は家で勉強の日々。
神戸大学の電気治療の治験にいってみた。
2〜3年後に厚労省が認可したら7・8万で買えるアイフォンくらいの機械で治療ができるようになるらしいが、今のところあまり回復していない。
ビタミンB12とイデベノンも治ると信じてのんでいる。
イギリスでは目にイデベノンの注射をしているらしい、日本でも早く認可してほしい。
ビタミンCもよいといわれブロッコリーなど食べるようにしている。
コエンザイムもよいと言われるがどれがよいかわからない。

→メンバーより
・コエンザイムよりイデベノンの方が酸化ストレスを防ぐ効果が高いと言われていて、今はイデベノンが第一選択になっている。
 抗酸化作用というところでビタミンCを飲んでみるのもよいかもしれない。


〜全体での質疑応答・情報提供〜
・ジェンサイトというヨーロッパの会社が開発したミトコンドリア病11778の遺伝子治療をEUに申請して2023年中に回答される予定、アメリカにも申請準備中とのこと。

・日本では、「こいのぼり」からスピンオフした「ルカ・サイエンス」というバイオ製薬企業がミトコンドリア病に特化した創薬を行っていて、昨年5月協和キリンと共同開発を発表した。進展があれば患者会でも共有していきたい。

【ルカ・サイエンス株式会社 (luca-science.com)】
https://ja.luca-science.com/

・酒やタバコが発症の引き金になると言われているが?
→因果関係はわかっていない。
 10代での発症も多いので違うのではないかとも思う。
 何かの原因でミトコンドリアが細胞にエネルギーを送れなくなっているのだが、その原因はわかっていない。

・母系遺伝ということで、自分の母や弟も検査をした方がよいのか?
→母や兄弟はおそらく遺伝子を持っている。
しかし、検査をしても原因はわからないから防ぐことはできないため、現時点では検査をした方がよいとはいえない。

・今、患者は全国に何人くらいいるのか?
→厚労省のホームページ(難病情報センター)によると、2015年の調査で約1万人。今は病気が認知されてきて早く診断されるようになってきたが、昔はなかなか診断がつかなかったこともあり正確なところはわからない。

・ハズキルーペは役に立つか?
→・視力は個人によりばらつきがあり、人によって適切な視覚補助具は異なる。
 ルーペで見えるのであれば活用するとよいと思う。

・視覚障害があってもできるスポーツはブラインドサッカーのほかにもあるか?
→ランニングで東京なら伴走してくれるバンバンクラブというのがある。
 代々木公園などでやっている。
 他に、ゴールボール・グランドソフトボール・サウンドテーブルテニス・ブラインドラグビー・登山など、色々ある。
 視覚障害とスポーツ、と検索すると色々出てくる。

【バンバンクラブ→代々木公園・伴走伴歩クラブ/バンバンクラブ|トップ (banbanclub.org)】
http://banbanclub.org/

【ブラインドラグビー→活動紹介 | 一般社団法人 日本ブラインドラグビー協会 (blindrugby.jp)】
https://blindrugby.jp/

【ロービジョンフットサル→ロービジョンフットサルとは | 日本ブラインドサッカー協会|Blind soccer (b-soccer.jp)】
https://www.b-soccer.jp/blind_soccer/low_vision

【サウンドテーブルテニス→【公式】日本視覚障害者卓球連盟.Japan Association of Sound table tennis
(jatvi.com)】
https://jatvi.com/

【登山→六つ星山の会・見えても見えなくても山はすばらしい! (mutsuboshi.net)】
http://www.mutsuboshi.net/

・母系遺伝なので男性患者の子には遺伝しないのか?
→しない

(司会より)新規の方が増えている。悩みを相談できる場として、また半年後くらいに会ができるとよいと思う。

以上です

 
 

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