第24回レーベル病患者の会 議事録

開催日時:2022年7月31日(日曜日)13時00分~16時30分
場所:Zoomによるオンラインにて

【出席者】
患者本人・患者家族・ボランティア 30名 参加

【第1部】 新規メンバーの紹介

・Iさん(男性・44才・神奈川県)
昨年2月右目から発症、今年2月左目も0.03に。症状安定せず見えづらさが増している。
40歳から緑内障もあり悪くなるか不安。
20年間同じ会社に勤務し物流の営業をしてきたが、今は部下に運転してもらったり、会社に来た方の対応をしたり、事務仕事をしている。
今週金曜からSPANのPC訓練を3か月受けることになっている。

 →緑内障併発のメンバーより:点眼続けていて眼圧正常・見え方も悪くなってはいないとのこと

・Kさん(女性・63歳・広島県)
昨年春から眼科受診し、血液検査で8月に診断。
今年の春からどんどん悪くなり、見たいところが見えず全体ぼんやりしてとても不自由。
手帳はまだもらっていないが、自分で障害者とは認めたくない気持ちもある。
現在視力は両眼とも0.02。
白杖買ったが訓練は受けていない。
一人では動けず、外出時は子どもの腕をつかんで歩いたりしている。
PCも自分ではできない。スマホもほぼ電話のみ。

→メンバーより
・スマホの音声読み上げ機能を使えるようになると便利かも。
・ロービジョンの訓練をしてくれるところに相談すると少しずつできることが増えてきてよいと思う。
・外出時のまぶしさは帽子が便利だと思う。ぶつかることも多いので安全面でもおすすめ。

・Yさん(35歳・男性・愛知県)
昨年8月発症。
進行早く現在両目とも0.01以下。手帳1級取得。
仕事は何とか続けている。
結婚していて子どもも2人いる。
名古屋市の公的なリハビリセンターに通って、PC・スマホ・歩行訓練など受けているが、一人で外に出ることが一番不自由。
仕事はPC覚えて少しできることが増えてきたが、一番の苦労は歩くこと。
早く相談先を見つけることが大切だと思うが、視覚障害は相談するところが少ないと思う。
今知りたい、と思うことを聞けるツールがあるとよい。
この先光も感じなくなるのかと不安。最新の研究のことも知りたい。

→メンバーより
・患者会のメーリングリスト・ラインのオープンチャットもあり、そこで質問もできる。
・光覚もなくなる人はいないと思う。若くして発症した人の中で成長過程の中で若干よくなった人や、遺伝子の型により回復した事例、イデベノンで少し回復した人もいる。

・Oさん(34歳・男性・東京都)
去年9月ころから見えづらくなり病院受診。
11月ころより視力がガクッと下がった。
現在両眼とも0.01。手帳は1種2級。
仕事は続けているが、飲食業のため仕込みだけを手伝っている。
白杖使って移動、iPhoneのボイスオーバー機能を使っている。
イデベノン・レスキュラ点眼使っているが変化はない。
生活の全て困っている。爪切りも困る。現在週1回PC訓練に通っている。

→メンバーより
・爪切りはみんな困っていると思う。「魔法の爪けずり・爪王」というのが便利。ネットで検索でき、800~千円くらいで買える。

・Kさん(38歳・男性・東京都)
今年2月に違和感を覚え4月に病院受診、はっきりと診断されたのは6月。
現在視力右0.05で左はまだ1.2ある。
先月の診察ではあまり変わっていないといわれたが見えにくくなっているという実感がある。
仕事はSEでPCを使っている。
ソフトウエアの開発をし、プロジェクトの管理をしている。

→メンバーより
・25歳で発症しプログラマーをやっていたが発病して1年6カ月休職して訓練を受けて復職した。
 プログラミングは目でするものと思っていたが、実は頭でするものなので意外と何とかできると思った。
 やってみたら思ったよりもできることは多い。もし両目発症したら国リハに行ってみるとよいと思う。
・見えなくなってからスクリーンリーダーの訓練を受けて、ワード・エクセルなど全部対応してできるようになった。
 仕事でもコミュニケーションとりながらプロジェクトに参加できている。
 スクリーンリーダーは有料無料いろいろな種類があるが、見えなくなる過程のどこかで訓練を受けるとよいと思う。
・今訓練をうけているところでは講師に全盲の方もいて、全盲になってから30年SEを続けてこられたそうだ。読み上げ機能の訓練早めにやると習得早いと思う。
・昔は視覚障害者の仕事は電話オペレーターくらいといわれていたが、現在はITが一番向いている仕事といわれている時代。
 頑張って今の仕事を続けてほしい。

・Yさん(15歳女子のご両親・兵庫県)
昨年発症、女子なのでなかなか診断がつかなかったが、今年3月にDr石川受診し遺伝子診断で確定した。
中高一貫校に通い高校受験はなかったが、発症してから徐々に登校できなくなった。
今インクルーシブ教育といわれているが、在籍校では特別支援コーディネーターもおらず、授業補助者もおいてくれなかった。
6月から盲学校へ転校し、元気に通学できるようになった。
イデベノンのこと、治験でも改善は3割程度といわれているが、どのくらい続けて改善または症状悪化がおさえられたのか、実際体験された方のことを知りたい。

→メンバーより
・一番最初のイデベノンの治験に参加した。当時50代に入ったばかり。
 結局好転とまではいかなかったが、顕微鏡レベルでは改善といわれた。
 その時Dr石川より、若年ではずいぶん効果のある人もいるといわれた。
・イデベノン服用例ではないが、現在中学1年生男子のレーベル病の知人で、小1の時に発症し0.01くらいまで落ちたがその後回復傾向になり0.4まで回復した例がある。

・Kさん(大学3年生・男性・宮城県出身・現在神奈川県)
高校1年で発症。現在の視力は0.01~0.03くらい。
日視連と研究授業にかかわる活動もしている。
今回同世代の人の参加は少ないようだが、色々な人とつながりたいと思っている。
進学を考えている人の相談にも乗れると思う。自分自身は大学院に進学するか就職するか進路をまよっているところ。
発症してからの就活の話や、発症してから転職された方の話を聞いてみたい。

→メンバーより
・このあと、グループミーティングの時間が設けられており、学齢期に発症した本人や保護者が一緒のグループになっているので、そこで色々な体験が聞けると思う。

・Mさん(17歳・男性)
現在高校3年生。小3で発症。
今は両眼で0.3くらい見えている。
今後大学進学について考えているのでそれについて聞きたい。
補装具はあまり使っていないが、教科書は拡大読書器を使ってみている。
拡大コピーをルーペで見ることもある。
進学か就職かも悩んでいる。
進学の際の入試の時どのように配慮してもらえるのか知りたい。

→メンバーより
・自分はAO入試で第1希望の大学に2期で入れた。
 センターや一般入試は受けていないが事前に配慮申請が必要と思うので、資料を取り寄せて事前に確認をすること・診断書の用意も必要となる。
 配慮は、視力によって1.3倍や1.5倍の時間延長や別室受験・拡大読書器の持ち込みなどができる。
 進学してからは大学側と気になることを相談することになる。

・Yさん(24歳・22歳のご兄弟・お母さん・京都府)
(母)次男が高校3年の冬1月に発症、長男がその年の7月に発症した。
長男発症のころに患者会のメーリングリストに参加し、色々話を聞いてもらえて気持ちが変わって助かった。
今日は息子たちの生活のこと・勉強のこと・就職のことなどアドバイスしてもらえたらと思い参加。

(弟)現在22歳。高校3年で発症。現在視力右0.01左光覚くらい。
手帳は1級。ライトハウスでPC習っている。就活のためのこと聞きたい。
ゲームや遊び、どうやっているか聞きたい。
ほぼ全盲なので、外では白杖使い、買い物も人の手を借りなければいけない。
暇な時間が多いのでみんなどうしているか気になっている。

(兄)現在24歳。20歳で発症。
強迫性障害があり2回入院していて、週2回訪問看護を受けている。
現在放送大学の3年生、心理学を学んでいる。心理士をめざして大学院受験の勉強をしているが、中心暗点があるので、英語などの勉強が大変。
どうしているのか知りたい。

→メンバーより
・英語の勉強は、単語などは通学電車の中で音声でやっていたりしていた。
・タイピングでバイオハザードのゲームができると聞いた気がする。
・残念ながらゲームはしたいけどあきらめた。英語は音声も使ったが、一般の人と同じことを拡大読書器を使って勉強していた。

・Gさん(61歳・男性・大分県)
58歳で発症し、福岡県の視力障害センターでそれまでほとんどやっていなかったPCを学び、ノートPCに後付けキーボードをつけたりして使えるようになった。
スマホもアンドロイドは難しくiPhoneに変えてSiriを使って色々やっている。
視力は3年前1.5あったが1か月でいきなり左が0.01になった。
右が1.5あったので何かおかしいくらいで気づかず、ふとしたはずみで左目見えないことに気づき病院受診、脳を調べたが異常なく、大分の大学病院眼科へ紹介してもらったが、そこではレーベルの診断をしたことがなかったので各方面に検査データを送りようやくわかった。
入院したが治療法もなく退院。
2週間後には右も0.01になった。
家の中で自分の置いたものはわかるが人の置いたものがわからない。
外では遮光眼鏡を使ってもまぶしくて一人では歩けない。
月1回同行支援を使って散歩しているが、それ以外は家にいる。
PC覚えたのでラジオやユーチューブを聞いてひまをつぶしている。
仕事は超長距離運転手で、目的地からまた次の目的地へと移動を繰り返し、一度家を出ると長いと3か月くらい帰らない生活だった。
大変といわれるが、自分は楽しんで仕事をしていた。

→メンバーより
・私も60歳すぎて仕事をやめたので、現在同じような日々である。
・最近、アレクサというスマートスピーカーをつけた。声で指示してラジオや音楽をかけてもらっている。
 アレクサはアマゾンのサービス、本体は5千円くらいで自宅のWi-Fiにつなぐだけですぐ使えて便利。

【第2部】 ブレイクアウトルームにてグループに分かれて懇親会

【第3部】 全体にもどって質疑応答
・神戸大学でやっている電気療法の治験に参加した人はいるか?
→今回参加者の中にはなし

・余暇の使い方
→サピエ図書館では代読・音声サービスなどもある。おすすめ。
 ブラインドラグビー・ロービジョンフットサルに参加している人もいる。
 ゲームはテレビなど大きな画面につないで動きのはっきりしているものを選んでやっている。
 小さい文字を読むようなものはあきらめている。

・ゲームで病気の進行を早めることはないのか?
→ITの仕事を30年やっているが進行していないので大丈夫だと思う。

・拡大読書器で酔ってしまうことの対処方法はあるか?
→目を見開いて見ないこと、半目で見よう、眼球運動してみよう。
 加えて、見えない・見えにくいものは見ないことにするという判断も必要。
 地図などを見ようとして目を凝らすのは非常に脳を疲れさせる。

・イデベノンについて。
 Dr石川に2年は継続してみるよう言われているが個人輸入で負担も大きく2年続ける価値があるのか悩んでいる
→治験では1日900mgを6カ月服用し、その後2年間検査をして効果があるか見ていた。
 必ずダメか判断はしにくいが半年は続けてみる価値があるかもしれない。
 今みてもらっている主治医に治験と同様の効果測定をしてもらえるとよいかもしれない。
→発症時から4年間服用していて、減らしたりしながら今も継続している。
 主治医はやめてもよいようなことを言うが本人の希望もあり続けている。
→神戸大学の電気治療の治験はイデベノンを服用してもやめて6カ月たっていれば参加できる。

・相談できる場所について
→この春から地域の視覚障害者の相談員になった。
 初めて手帳の交付を受ける人などの相談に乗っている。
 身体障害者福祉法に基づいて、市町村や社会福祉協議会などで相談できるところが設けられているところは多いと思う。
 都市圏ではライトハウスなど視覚障害者の尋ねやすい窓口がある。
  検索すると色々探せるので、相談窓口は皆無ではない。

・目と心の相談室をやっている荒川看護師さんより
 レーベル病の患者さんを診たことのない医師も多い。
 診たことのない医師のところを渡り歩いてしまった人はメンタル落ちることが多い。
 まず神経眼科に行きつくことは大切。
 レーベルの会で知った、と言ってくだされば、一度は無料でお話聞きますので利用してください。

・こういう見え方に慣れていないので、携帯電話を1週間に3回も職場に置いて来てしまった。
 身の回りの物をなくさない工夫はあるか?

→リモコンなどはフックをつけ、ひもをつけ、たどれるようにしてしる
→携帯電話はストラップをつけ、身から離さないようにしている。常時「HeiSiri」をONにしておくと、よびかけると応えてくれる。

司会より:色々と情報交換できてよかった。コロナが落ち着いたら、集合または集合とズームのハイブリットの会など実現できるとよいと思う。

以上

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