第20回レーベル病患者の会 議事録

開催日時:2018年11月11日(日曜日) 13時00分~17時00分

場所:東京ボランティア・市民活動センターB会議室

【出席者】
岡山県、愛知県、宮城県」、三重県、山形県、群馬県、茨城県、千葉県、兵庫県などなどから
患者本人17名・患者家族20名・ボランティア4名・薬卸業者1名参加


【会の内容】

<イーサイトマイグラスの体験会>
FQジャパン佐川さんより説明
・ イーサイトマイグラスはプラスワンというタイプの医療機器である
・ ロービジョン者対象の視力補正のメガネ、かけることでより見えやすくなる
・ 対象は、矯正視力で良い方が0.03以上、中心暗点10度以上。
  これは相対的適応で必ずしもではない
・ 原理は下記
  ①メガネ本体にビデオカメラ、そのウラにディスプレイがありそこに画像を投影、ロービジョン者に見やすいように画像を加工している
  ②一つのカメラで撮像したものを中の二つのディスプレイに映すことで、片方の目をより効果的に使える。
・ カメラはオートフォーカスになっているため、動いているものにも対応が可能。
・ 歩行はできるがトレーニングが必要。
  →ジョンホプキンス大学等病院とアイケアセンターでトレーニングをしながら使うことで、80%に効果があるという結果が出ている
・ このようなスマートデバイスは、日本で、「見ること」の面では、このイーサイトマイグラス(黄斑部に障害がある人が対象)のほか、QDレーザー(前眼部に障害がある人が対象)・HOYAから出ている暗視鏡(暗いところで見やすい)がある。
  「文字を読むこと」の面では、オトングラス・オーカムマイアイがあり、見た文字を音声読み上げしてくれる。
  東京では、点字図書館や盲人連合会で体験できる

 質疑応答
・ 価格はどのくらいか、色覚は補正できるのか
→価格は税抜きで150万円。
 まだ補装具の申請や企業に助成金が出る仕組みも認可されていない。
 色覚補正の特別な対応はないが、拡大読書器の白黒反転機能くらいはある。

・ 重さはどのくらいか、作動は電気か、体験はどこでできるか
→重さはヘッドセット本体100gくらい。
 正しい姿勢で見るようになるので疲れにくい。
 コントローラーの中にバッテリーがありフル充電すると2時間使える。
 予備バッテリーも1つついている。
 屋内ではアダプターを直接電源につないで使える。
 体験は、FQジャパン本社・永田町と梅田・名古屋にあるウエルカムサポートセンター・全国のメガネスーパーで事前予約をすることで可能。

・ 機能を限定することで低価格の商品を作る考えはあるか
→イーサイトはカナダの会社、日本から要望を題しているがまだ具体的な計画等は出ていない

⇒佐川さんの説明のあと、実際の患者へイーサイトマイグラスの
 体験コーナーを実施した。


<司会:渡辺さんより9月のリハビリテーション学会ポスター発表の報告>
【発表した大会】
「第27回視覚障害リハビリテーション研究発表大会IN神戸」
http://jarvi.jpn.org/

【発表日時】
9月15日土曜日
14:20-15:20

【発表内容】
・ 主な参加者は、眼科医師・視能訓練士等眼科医療関係者約600名。
  レーベル病は今まで眼科医でもあまり知っている人が多くないと思っていたが、今回参加してみて、知っている人が意外と多くなっているという印象だった。
  患者会や若倉先生の活動により難病認定され診断基準もでき、数年前よりはるかに認知度が上がったと思う。
  病気を知っている上で声をかけてくる方が多かった。
  10代の学生を支援している人からたくさんの質問をいただいた。
  発症したばかりの急性期はなかなかかける言葉も見つからず対応が難しいが、安定期にしっかりと支えてゆくことが大事と思った。


<新規メンバーの紹介>
〇Yさん(相模原市)32歳・男性
 福祉系のコンサルティングの仕事をしている。
 昨年7月に診断。
 まだ戸惑う部分・何とかできる部分が色々。
 困りごとは、文字が見づらい、人の顔がわからないこと。
 仕事でメールや文書を読むのに、有効な情報を得たい。
 PCはMac。
 視力は0.05~0.06。
 手帳は未申請。

→メンバーより
・障害者手帳の取得を勧める。
 メールなどはPCトーカーが使いやすい
・一定期間視覚障害の学校などに通って、視力障害のPC操作などを学ぶと良い。
 働きながら夜間通えるところもある。
・ PCトーカーのコーチシステムも活用できる。
 Macにもその機能はあるようだ。

〇Nさん(台東区)30歳・男性
 2016年6月~今年6月まで海外青年協力隊でブラジルにて日本語を教えていた。
 帰国直前の今年6月から視力低下を感じ眼科へ行ったが、視力の問題ではないといわれ、永寿病院でステロイドパルス・血漿交換を受け効果なく、1ヶ月様子見たが変わらず、東大病院にてセカンドオピニオンを受け、先月レーベル病と診断された。
 帰国後英語教師になる予定だったが無職となってしまった。
 レーベルは遺伝性といわれ、今まだ家系にそういう人はいないのに、母や父が罪悪感を持ってしまって申し訳ない。
 今は両眼とも視力0.1くらい。
 まだ下がり続けていると感じている。
 東大病院からノイキノン(コエンザイムと同じ成分)を処方されている。

→メンバーより
・ 昨今障害者雇用問題が連日報道されるようになり、障害者枠での雇用はきちんととっていかれるようになると思う。
  アンテナを高く掲げて情報を収集してみてほしい。
・ この病気に今これをやったら治るというものは残念ながらない。
  多少良くなるといわれているのがイデベノンである。
  兵庫医大で治験を行っていたが、まだ薬として日本では認可されていない。
  今は海外からの個人輸入の方法しかない。
・ (イデベノンを兵庫医大に納めていた薬卸業の方より)イデベノンは医薬品のため本来医師の処方箋が必要なもの、基本的に個人輸入はできないが、特例で1か月分は輸入OK、それ以上は税関で引っかかる可能性がある。
  (引っかかからないこともある)今のところは医師の処方箋があれば何か月分でも個人輸入できる。
  手続きはお手伝いできる。
・ コエンザイムは今のところ効果出た事例はない。
  サプリメントの服用時は時々肝機能のチェックが必要である。
・ イデベノンをリレントス社から個人輸入している。
  今後原材料を調達している中国向けの関税が高くなるかもしれないので今のうちに買っておかないかとメールがきて購入した。
  1ボトル1万5~6千円、送料3~4千円である。
・ 兵庫医大のイデベノン治験で良くなったという人は意外にいた。
  発症初期に投与すると効果あるケースもあるようだ。
  自分は視力0.09くらい、ITエンジニアをしているが、色々なツールを使って仕事をし、発病後資格試験も30以上とっている。
  試験は時間延長など配慮も受けられる。
  いろんなことが通る世の中になっているので、やってみてほしい。
・ イデベノンは必ずしも効果が出るということではない。
  急激な回復は望めないが、いくらか効果のある人もいる。
  全く効果のない人もいる。
  個人差あるので、誤解のないように。
・ イデベノンを飲むならばできれば早期の方が良いと思う。今すぐ良くならなくとも、将来に効果があればよいなと思い、中学生で発症した息子にのませている。
  自分はオオサカ堂というところで購入している。
・ イデベノンの服用量は1日900mg、効果は個人差がある。

〇Kさん(宮城県) 
 現在高校2年の息子が高1の春に発症。
 当初視神経炎といわれステロイドパルスをしたが、二つ目の病院から東北大学病院を紹介され遺伝子検査して診断。
 しかし、治療は良くわからないといわれ、井上眼科の若倉先生を紹介、ビタミンBとC・コエンザイムを服用中。
 今の視力は0.02~0.01。拡大読書器を使い、歩行は自立している。
 学校でも拡大読書器やiPadを使用していたが、だんだん友達の顔がみえなくなり学校に行かなくなった。
 高2になったとき、宮城の視覚支援学校へ転校。
 当初進路は鍼灸かなといっていたが、宮城のロータリークラブでハワイにいかせてもらったり、慶應大学の視覚障害を持つ子の進学のためのセミナーにも参加したりして積極的になってきて、読むことや書くこともある仕事に尽きたいと気持ちが前向きになっているところである。

〇Uさん(千葉市) 男性・38歳
 今年2月に右が見づらくなり、ステロイドパルスをしたが回復せず、5月の連休ごろレーベルと診断された。
 兵庫医大の治験を紹介されたが終了していて、神戸大学の電気治療の治験に参加予定。
 10月中旬から左の視力も低下して、それまでは普通に仕事をしていたが、文字を見るのが難しくなってきた。
 会社と相談し、休職して訓練を受けようという方向。
 PC使うこと多い仕事。
 海外とメールでのやりとりもある。
 来週初めて杏林大学病院のロービジョンにて相談予定。

→メンバーより
・ 千葉なら四街道に千葉県の視覚支援センターもある。PCの訓練もしてくれる。
  全盲の方が先生。
・ 新宿にも訓練センター、所沢にも国リハがある。
・ 国リハは全国に4箇所あり、通所も入寮もできる。
  自分は7ヶ月入寮し、ロービジョンの見え方訓練で残った周辺の視力を生かす方法を学んだり、歩行・PC・ICT機器の活用や、料理・選択など日常生活の訓練もあった。
  自助具の選定もしてくれる。
  三療の視覚の勉強もある。
  手帳を取得してからの方が費用面などでもメリットはある。

〇Fさん(清瀬市)
 27歳の息子が発症。
 近くの眼科からS病院を紹介され、ステロイドパルスを3回やったが効かず、井上眼科を受診し、すぐ遺伝子検査をして6月に診断結果をきいた。
 そのあたりから精神的に不安定になり、家族への暴言もあり、つらいときもあった。
 波はあるがこのところ落ち着いてきている。
 仕事は飲食関係で、次のステップへ行きたいと努力していたところだったが諦めざるをえなくなり不憫だ。
 乗れなくなった自転車を見るのがつらい。
 勤務地は変更となったが、なんとか頑張って仕事は続けている。

→メンバーより
・ ステロイドは離脱の仕方も難しいと思う。
  プレクストークを使い小説をたくさん読んでいる。
・ 自分も最初球後視神経炎といわれ3ヶ月入院し、ステロイドパルスを3回やった。
  ステロイドは徐々にやめていかないと大変といわれたことを覚えている。
・ 自分も人間ドックで左眼だけ急に0.1になっていて、急性視神経炎を言われステロイドパルスを3日間やった。
  その後、ステロイド錠剤にかえ、漸減しながら続けたが効果なく終わりになった。
・ プレクストーク利用している。
  最近千葉の図書館では、買った本をデータにしてくれるというサービスもしてくれるようになった。
・ (荒川看護師さんより)ステロイドは炎症があるときにつかうもの。
  レーベルは炎症ではないので効かない。
  ステロイドは急に切ると全身状態が悪くなるので、切り方は気をつけなければならないが、急にやめたからといって眼が悪くなるということはない。

(その後、懇親タイム)

次回開催予定は5月前後です。

下記URLは会議の音声データです。

しばらくするとデータが消去される場合がありますので、確認が必要な方は早めに確認ください。

https://drive.google.com/open?id=1i99ZgkZRATjkiWyu4acZqexLuORYld9g

以上、よろしくお願いします。

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