第18回レーベル病患者の会 議事録
開催日時:2017年11月12日(日曜日) 13時00分~17時00分
場所:井上眼科クリニック 新御茶ノ水ビルディング3F会議室
【出席者】
山形県、愛知県、奈良県、三重県、大阪府、群馬県、茨城県、青森県、広島県
などなどから患者、患者の家族、井上眼科病院関係者含め約50名弱が参加
【ゲスト】
北九州市立総合療育センター眼科部長
日本ロービジョン学会前理事長
高橋 広先生
スペシャルインタビュー
http://www.kumon.ne.jp/kumonnow/special/019_1/
【内容】
13:00開始
・レーベル病患者会会長からのあいさつ
2011年5月から開始されてきたレーベル病患者会ですが、今回で18回目の開催となりました。
今まで会議室は井上眼科クリニック様の好意でお借りしていましたが、今回で井上眼科クリニックでの会議室の利用は最後となります。
次回以降はレーベル病患者会のメンバで会議室を借りての開催となります。
次回は5月の開催を予定していますので宜しくお願い致します。
【新規参加メンバーの紹介】
・Kさん
広島県在住、27歳。
現在の視力は、0.03程度
今年の3月頃に発症し、4月にレーベル病と診断された。
工場で現場作業を行っていた。
来年早々に復職しようと思っている。
目が悪くなった後の仕事はどうしているか知りたい。
→スクリーンリーダや拡大読書器を使用して業務を行うべき。
その為には、視覚障碍者のための学校に通いPCのスキルを学ぶべき。
広島より九州のほうが紹介できる施設があるので今度、北九州市立総合療育センターに相談に来てください。(高橋先生)
・Yさん
大阪府在住
去年の7月にレーベル病を35歳で発症。
視力は0.01以下。
もう治らないと診断され、死にたいと思っていた。
兵庫医大の石川先生に診察していただきタバコを止めるように勧められたが止められないでいる。
ストレスの解消方法などを知りたい。
→私も酒を飲んだり、八つ当たりをしていた時期があった。
何かきっかけがあれば変われると思う。
→リハビリテーションセンターに行くことを勧めます。
全盲の人も訓練していたりするので同様の悩みを共有できると思う。
・Kさん
新宿在住
中2の息子が発症、左目のみ発症で現在の視力は0.02。
10月にレーベル病と診断された。
現在、イデベノンを服用している。
9月末に札幌の漢方の先生に会った。
神田の鍼灸にもかかっている。
今のところ右目は発症していないが、発症を心配している。
→弱視の子供と会う機会があるが、学習面では一般の学校でもなんとか勉強することができると思う。
ただ、スポーツや社会福祉活動などができない。
そのため、自己肯定ができず「僕はできない」と思ってしまう子供が多い。
→患者会のメンバの中には障害をもっている中、東北大学の大学院で研究している方もいる。
両目に発症したとしても絶望しないでほしい。
→中学生くらいに発症したお子さんを持つお母さんがレーベルの会の
メーリングリストに複数登録されています。
同様の悩みを経験していますので、何かあればメーリングリストに相談を投げてください。
・Hさん
福岡県在住の60代女性の親戚が発症。
ほぼ、全盲との事。
九州大学病院で治療を行い、現在は一人暮らし。
要介護をもらいたかったが貰えなかった。
本人が現在の症状を受け入れられていない状況。
→本人が受け入れられていない状況であれば先に進めない。
後で、相談してください。
また、レーベル病で全盲になることはない。(高橋先生)
・Kさん
筑波在住、視力は0.02程度
筑波技術大学に通い理学療法を学んでいる
高校2年の時に発症。
高校は周りの人のサポートで卒業することができた。
皆さんで文字を見るときに何か工夫などしていることがあれば知りたい。
→見ることが大事なのではなく、理解することが大事。
音声を使用して学習し、見ることにこだわらないほうが良い。
→スーパーで賞味期限などを確認するのであれば、ルーペか
ルーペが効かない視力の場合はコンパクトミディを使用すると
見やすいかもしれない。
本日、持ってきている人がいると思うので試してみてください。
→コンパクトミディを拡大読書器として補助を申請すると、本当の
拡大読書器を補助を利用して購入しようとしたときに使えなくなる
場合があるので、補助を利用する前には十分検討が必要です。
・Iさん
26歳の時に発症
翌年に2,3か月間新宿の施設で拡大読書器、音声ソフトの使用方法を訓練した。
大学時代、当初は教科書をすべてスキャナーでスキャンしてIPadに
入れたりして勉強していたが、効率が悪いので音声で勉強した。
大事なことは自分の声を録音して聞いて覚えた。
現在は、筑波大学の大学院に通って障碍者スポーツなどを学んでいる。
自分は弟がいて弟にも発症のリスクがある。
弟が発症したときに前向きに生きていくためには自分が輝く必要があると思って行動している。
【高橋先生の講演の質疑応答】
・訓練をすれば視野の欠損していない部分の視力が上がるのか?
→視力が上がる人もいれば上がらない人もいる。
いま、一番やりたいことを聞いてそれを実現させる方法を考える。
やりたいことを実現させえるためには見ることにはこだわらないほうがいい。
・いま、中心に暗転があるので目を上にずらしてみているが訓練すればずらさないで見ることができるようになるか?
→それは、無理だと思います。
・関西でロービジョンのケアをしてくれる病院はありますか?
→京都の吉田眼科で行っています。
・一旦自分の視野を意識してできることとできないことを訓練し理解したのだが、その後メンテナンス訓練する必要はあるのですか?
→見え方が変わらなければ再訓練の必要はないです。
・障碍者手帳の等級を引き下げる動きがるとの事だが?
→現在、同じ見え方で障害等級を下げる原案があったのでその改正をしないように働きかけています。
・視覚障碍者の就職について
→地域によって大きな差がある。
また、担当してくれる担当者によって当たり外れが大きい。
そういう世界です。
・現在レーベル病で九州大学病院に通っている。
セカンドオピニオンはどこがいいでしょうか?
→医療としては九州では最高です。
うちに来ても治療を望んでいる限り、がっかりするだけかもしれないです。
ただ、はっきり治らないと言ってあげることも重要です。
九大のソーシャルワーカーに相談したほうが良いです。
・仕事をしていると目が非常に疲れる。
うまい、休憩の方法はあるか?
→外見ではレーベルの人は健常者と変わらない。
そのため、理解を得るのが難しい。
遮光眼鏡をかけると大きく疲れが変わると思うので試してみてほしい。
ある意味お金はかかるが投資は必要。
・海外の人と働く機会があるがどう説明する?
→ロービジョンでわかると思う。
・寝込んでしまうほどの頭痛になることがあるが、ミトコンドリア病と関係があるのか?
→眼科だけの問題ではないのでわからないです。
・患者の妹、母親に告知するか悩んでいる。
→告知についてはとても難しい問題なので何とも言えない。
遺伝子専門の相談員に相談されたほうが良いかもしれない。
・拡大読書器とIpadを使用して業務を行っている。
長時間作業を行うと文字が立体的に見えたりする。
ロービジョンの訓練をすると効果はあるか?
→作業が長時間になる場合は休憩をとってください。
訓練で視力が上がることはまずないと思ってください。
・8月くらいに発症して症状が確定していない。
確定してから訓練すべきですか?
→九州に来ていただいて一回話を聞いてもよいかもしれないが
本人次第なので何とも言えない。
高橋先生有難うございました。
(帰りの飛行機の時間になったため講義は終了)
【新規参加メンバーの紹介続き】
・Mさん
調布在住、娘が8月に24歳で発症 0.03
当初は何もできなくなったとしてかなり落ち込んでいた。
一般的なレーベル病の遺伝子の型とは違い少珍しい型である。
結婚、出産などは時間との戦いになるので苦慮している。
・Oさん
品川在住。
40歳女性。
今年の2月に左目に発症。
当初視神経炎として診断。
現在、障碍者支援員として働いている。
結婚していてまだ子供はいない。
発症するかどうかわからないので子供は配偶者と相談して決めたいと思う。
レーベル病が両目に発症したときのイメージをつかみに来た。
→一般的には最初に片目が見えなくなる。
数か月後にもう片目に発症して両目の視野が欠損していく。
症状が安定するときの視力は人によってまちまち。
・Xさん
神奈川県在住
20台の大学生の息子が発症
10月にレーベル病と診断
右目はまだ見えている。
イデベノンや漢方の話が聞きたい。
→兵庫医大のイデベノンの臨床に参加した
2013年から開始して6か月投与した。
来年の春で治験の経過観察は終了
担当の先生に聞いたが、改善率は1/4~1/3程度くらい。
若い方や発症後間もない方のほうが効果があるように見えているとの事。
個人輸入するならオオサカ堂で購入が可能
早ければ来年から再来年くらいには再度イデベノンの治験がある可能性があるとの事。
治験では1日900mg服用する。
8箱で13000円程度
1箱30錠、45mg
香港からサプリで送られてくるとの事。
次回開催予定は5月です。
以上、宜しくお願い致します。