第10回レーベル病患者の会 議事録 

日時:平成26年6月1日(日)13:00〜14:30、14:30〜17:00
場所:井上眼科病院 丸中ビル 5階会議室
参加者:24名(患者11名、家族7名、ゲスト3名、病院職員3名)
        一般社団法人こいのぼり 医師と奥様
        ミトコンドリア病患者・家族の会代表
 
 
13:00〜14:30 個別相談を行った。
14:30〜患者会開始
 
1.レーベルの会代表の挨拶

2.個別相談会についての報告

3.初めての参加者の自己紹介
Aさん:埼玉県 38歳、職業:教師、1年間休職中
       一週間ごとに視力低下自覚する。
       困っていることは?できていたことができなくってきたこと。
Bさん:群馬県 38歳、職業:1年前までは、自動車ボディの設計を担当していた
       現在は復職し、PCによる書類作成など行っている。

Cさん(母):富山県、高校2年生の息子さんと一緒に参加
           同じような年代の子供を持つ人との交流。
          明日の月曜日は年2回受けている若倉先生の診察日のため,上京できた。

Cさん:現在高校2年、1年半前に発症、現在の視力は0.01〜0.02
       学校は普通高校に行っている。
       理科の実験の時など難しいが何とかやっている

Dさん:中学3年生
       <初めての参加ではないが、同じ学生として一言話を聞かせてもらった>
       2月に比べて物事だいたい、笑って過ごせるようになってきた。
       楽になった。
       学校で階段から転んだりしても笑って流せしたり笑いとれるようになった、自分でも成長したと思う。
       来月、東京の盲学校に見学に行く予定。

Eさん(母):茨城から家族3人で参加  本人は現在は体調崩し入院中
             患者は28歳の息子さん、目が見えなくなっている現状を受け入れられず苦しんでいる。
             何とかしてやりたいと思って会に参加した。
 
【会員から 情報提供】
茨城でロービジョンケアを実施している施設はありそうでなく、東京に来る人も多いようだ。
自分は、所沢の国リハ病院で短期間の入院と通院により、ロービジョンケアとして訓練を受けた。
具体的には、拡大読書機や補装具を使った視能訓練や白杖を用いた歩行訓練を行った。
その後、就労の継続を目的として、新宿区にある視覚障害者生活支援センターで、PCの操作等の訓練を実施してきた。
なお、寝る前にキーボードの位置をイメージトレーニングするなどして、ブラインドタッチを克服した。
PCはコミュニケーションツールとしても重要なので、習得をおすすめする。
 
 
【会員から】
三重県から参加。
現在神戸の施設に入所して生活支援や職業の支援と言った訓練を受けている。
9月末まで継続予定である。
パソコンはすべて音声が指示が出るように勉強を始めている。
 
 
【ゲスト紹介】
ミトコンドリア病患者・家族の会 代表15年 (息子さんがミトコンドリア病)
こいのぼりの医師:愛知県豊田市で診療を行っている。
一般社団法人こいのぼり:ミトコンドリア病の新薬開発について海外の患者会などと連携して活動している。
      7月27日(日)13:00〜18:00、品川で「アクション」というイベントがある。
      ミトコンドリア病全体の海外を含めた新薬の開発状況を患者家族のために説明する。
      公開サイトで13:00〜18:00まで行っているので良かったら参加してください。
      参加希望者は別途に申し込む。会費1家族1500円
 
【レーベル病の方の薬の開発状況】
1、EPI−743という抗酸化剤がミトコンドリア病の中のリー脳症という病気に効果があることがわかってきている。
現在、日本で最後の臨床試験に入った
製薬会社にはレーベル病の人にも試したいと申し入れしている。
製薬会社からも検討したいという返答あり、今後治験をして効果を確認したいと考えている。

2、イデベノン 兵庫医大の先生が治験中。
海外では臨床試験が進んできている。
これは「コエンザイムQ10」という薬の改良版で目の神経の痛んだミトコンドリアの機能を回復してくれること期待しているもの。

3、遺伝子治療 ヨーロッパのジェンサイトという会社で目に欠損している遺伝子を直接目に投入することで視力が回復できないかという、最初の人を使った臨床試験が開始になっている。
ヨーロッパ主体に患者さんが募集されている段階である。
遺伝子治療はある程度視力が固まった患者さんに行われる治療と思われる。
 
急性期治療:なるべく視力低下を進めないような治療であり、1年たった後の慢性期においは少しでも視力を引き上げる段階の治療が必要になってくると考えている。
来週水曜日からミトコンドリア病の、海外の学会に参加してくる。新たな情報があれば、また、みなさんに情報提供していきたい。

 
なぜ、ある程度の年齢になってから発症するか。
一つの細胞の中にはミトコンドリアが多数入っている。
特にミトコンドリアはエネルギーを作る。
だから、細胞によって持っているミトコンドリアの数が違う。
頭とか目など視力を得るためにはたくさんのエネルギーが必要。
目や頭などのミトコンドリアの中に多数の遺伝子が入っている。
例えば100個持っていると(もっとある)するとその中にたくさんの遺伝子を持っているので最初に生まれてきたときに致命的に遺伝子の欠損を持っているミトコンドリアは100個なかったはず。
つまり、細胞全体で8割以上欠損を持ったミトコンドリアが増えてくるとエネルギー産生が極端に落ちてくるので細胞の働きが弱くなることがわかってきている。
生活する中で徐々に増えてきて、ある閾値を超えた時に症状が出てきている。これは目だけではなく頭もすべてのミトコンドリアで言える。なぜ、ミトコンドリアが徐々に痛んでくるかというと、エネルギーを発電するときに酸素を使ってエネルギーを作る。
ごはん、炭水化物やたんぱく質や油をすべて分解して粉々にしてそれが細胞の中に全部入って、ミトコンドリアは発電所のようにその原材料を使ってATPというエネルギーを作る。
酸素と一緒に。その時に活性酸素が洩れる。
もともとミトコンドリア遺伝子異常があるとミトコンドリアの働きが悪い。
エネルギーをうまく作れない。
それを無理に使っている中で当然活性酸素の漏れが増えてくる。
その活性酸素がさらにミトコンドリアを痛めてしまう。
そうやって徐々に障害されているミトコンドリアに元気がないミトコンドリアが増えてきて発病すると考えられている。
 
ポイントは、ミトコンドリア増える。
ミトコンドリアの数は決まっていない。
たくさん使うところには増える、ミトコンドリアは使わないところは減る。
1個新しいミトコンドリアが生まれてきてそれがくっついて大きくなってくる。
活性酸素や遺伝子の異常がある働きの弱いミトコンドリアはいらなくなって捨てられ、良いミトコンドリアが出てくるようにできている。
だから、悪いミトコンドリアが増えてきているときは増やさないようにする生活が大切になる。

1.食事 急性期ほど大切。抗酸化作用のある食事
2.酒、たばこはダメ(酸化作用強い。急性期は特にダメ)
3.果物をとる、緑黄色野菜をとる。野菜、果物を取るだけでも体の中の酸化物は減る,
4.ポテトチップやマクドナルドは酸化物が多いので控える
5.抗酸化サプリメントを使うことも良い
6.ビタミンB,K、細胞の活性を上げる。ビタミンB,Kのサプリも一緒に使う
7.夜中までテレビを見ない(負荷を与えすぎないことが大切)

【本日の講演】
アットイーズ(有)社長
視覚障害になり、病気とどのように付き合ってきたのかについて講演。
講演内威容は下記にアップロードしました。
 
http://youtu.be/dpvnxmSDQeo

 

以上

 
 

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