第23回レーベル病患者の会 議事録
開催日時:2021年6月13日(日曜日)13時00分~16時00分
場所:Zoomによるオンラインにて
【出席者】
患者本人・患者家族・ボランティア 32名 参加
【第1部】 新規メンバーの紹介
Sさん(男性・70才・沖縄県)
発症は62歳のとき、左眼から徐々に見えにくくなり、近くの眼科を受診し大きな病院を紹介され視神経炎だろうと入院しステロイドパルスをやった。
半年間、神経内科で骨髄検査受け多発性硬化症を否定、大学病院で高圧酸素治療も効かず、そのうち右眼も見えなくなってきて車の運転ができなくなった。
右眼は時間単位で悪化していった印象。
その後、東京の井上眼科にて遺伝子検査をしてレーベル病と診断がついた。
東京は遠くて通院やこの会に来ることはなかなか難しかった。
鍼灸の資格をとり現在に至っている。
現在症状は少しよくなってきている。
他の方の経験も聞きたい。
Kさん(男性・30代・大阪府)
社会人として会社勤めをして17年になる。
発症は2014年の冬、おかしいと感じて近くの眼科から総合病院、大阪大学病院と紹介され、遺伝子検査をしレーベル病といわれた。
なおらないとはっきりいわれたが、兵庫医大の三村先生のところでイデベノンの治験を受けた。
その頃視力は右0.01左0.02、今は右0.03左0.02くらい。
この会は東京なのでなかなか参加できなかった。
職場の周りの人に、自分の状況をどのように伝えるのかが難しいと感じている。
Oさん(男性・42歳・大阪府)
2019年10月に視力が低下してきて、最初は視神経炎といわれ、半年後にレーベルとわかった。
もうすぐ年金の申請をしたいと思っている。
みなさんのアドバイスがほしい。
Hさん(男性・57歳・兵庫県)
昭和55年11月・高1のときに発症。
地元の眼科から神戸大学病院に紹介され、10ヶ月入院し、5年くらい通院治療した。
鍼灸マッサージの資格をとり現在に至っている。
関西のレーベルの会をたちあげ、イベントや情報の紹介などを発信している。
Iさん(男性・24歳・愛知県)
2年前に発症。
入社してすぐのことだった。
入院・リハビリを経て復職し、事務職として働いている。
現在PCトーカーを使っている。
仕事を続けていく上でのアドバイスがほしい。
Oさん(男性・64歳)
一昨年の9月に発症。
1.2あった視力が現在は0.01。
眼を開けた瞬間から砂嵐の状態で毎日苦しんでいる。
昨年末会社を退職し、障害者専門のボランティアなどをしている。
家族に助けてもらって現在にいたっている。
Nさん(男性・24歳・三重県出身・東京在住)
6年前高校2年のときに発症。
視力は現在0.01。
企業でブランド戦略の仕事をし、ロービジョンフットサル日本代表として活動をしている。
世田谷区でロービジョンフットサルのスクールをやったり、小中高などで多様性の講演や、企業でも研修の講師などをしている。
<井上眼科・眼と心の相談室 若倉雅登先生よりごあいさつ>
レーベル病は、昔は若い人の発症が多いと思われていて、50~60代はあまり考えなかったのでなかなか診断がつかなかった。
国にも提言しているが、保険が使えないので遺伝子検査もなかなか難しい。
だいたい1年間は進行するのがふつう。
個人差は多少あるが、1年から1年半で底をうって、ある程度視力が上がる人、少しだけ上がる人、結構上がる人も5%くらいいてこれは若い人の方が多い。
1年くらい見えない生活をしていると、見る以外の他の力が働いてくるようになる。
見えないなりの生活がだんだん獲得されてくることによって、生活のしやすさを少し自分なりに学んで、残っている機能をうまく使いながらやっていこうという前向きな気持ちが出てくる。
どん底に気持ちが落ちて抑うつ感にさいなまれる人もいるが、周りの人、家族や医療関係者などの助けを得て、少し前に進めるようになる。
残念ながら、日本はこういうこと(関係者のヘルプ)があまり進んでいないが・・。
レーベルは他の視覚障害と違って、中心は見えないが周辺の見えるところをうまく使っていくこともできる。
いったんどん底に落ちた人を引き上げるのはたいへんだが、焦っても難しいところ。
母親は特に大変だと思う。
(13:50~14:00 休憩)
【第2部】講演
『視覚障碍者のライフワークバランス』
講師:一般社団法人・セルフサポートマネジメント 石井 暁子 先生
【第3部】ブレイクアウトルームにて懇親会
6~7名の小グループに分かれて自己紹介、困りごとなどを相談
(全体にもどって、質疑応答)
・デイジー図書以外のリアルタイムの情報収集ツールについて質問
メンバーより回答→キンドルを使い試し読み・ボイスオーバーに対応しているか確認してから購入。新聞のデジタル版(朝日が値段は手ごろ)やSNSも利用できる。
新聞を読むのに、RSSという仕組みもある。
スクリーンリーダーを持っていたら音声でも聞ける。
次回開催は2021年11月頃を予定しています。
以上。